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1: ディジェイヌ
2026-06-06 19:08:23 YWJmOGYw(1)

女子生徒を口説きに学園の行事をたびたび荒らし回る不審者。
時を同じくしてまことしやかに囁かれだした
「聖櫻都市伝説『仮面の男』」
そんな噂が絶えないながらも行事が豊富で楽しげな校風の「聖櫻学園」に転校してきた一人の男子生徒「和泉アラタ」。
飄々とした変わり者な彼により、全ての真相が明かされる......

「たすけて!マイヒーロー」を題材とした青春レイドシリーズ(?)4月、5月、6月編収録。

※今作は、かなり些末的な部分だけではありますが、「魔法先生ネギま!」との微クロス要素があります。
あらかじめご了承ください......
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46: ディジェイヌ
2026-07-05 20:30:06 ZTJhNWFm(50)

ーーーーーーーーーーーーーーー

「やっぱりジェーンのシュートは最高ね。」
「そんなことない。皆がパスを繋いでくれたお陰だよ。」
所変わってニューヨーク、女子バスケットボールの試合で好成績を修めたチームが互いへの称賛を送り合いながら控室へ戻ってきた。
思いきり動いた後ということもあって各々にハイな状態で、不意に響く拍手に振り返る。
「イヤハヤ。君達実に素晴らしいね?」
「アラ、ナンパの方かしら、ミスター?」
なんのステップも置かず、スーツ姿にターバンを覆った色黒の男がアタッシュを提げながら入ってくる。
「良い試合を見せてもらったからね。是非君達のようなスポーティガールに会って欲しい者が居るんだ。」
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47: ディジェイヌ
2026-07-05 20:30:55 ZTJhNWFm(50)

「おはよう、心実ちゃん、明音ちゃん。」
「笹原先輩...!」「おはようございます!」
朝、共に登校していた椎名 心実と明音の後ろから、笹原 野々花が声をかけてくる。

三人が談笑しながら登校し、校門を抜けてしばらくしたところだ.....

「キミ達。人を訪ねたいのだが、ちょっと良いかな?」

?ガシャリと音を立てながら佇む姿に三人は振り返る.....
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48: ディジェイヌ
2026-07-05 20:31:27 ZTJhNWFm(50)

ーーーーーーーーーーーーーーー

はぁ、結局言えなかったなぁ.....
そんなことを思いながら雛菜は少し寂しそうに帰路を進む。
あの後、いつも通り顔を合わせることはあったが、結局話を切り出そうとしても難しく、なんら変わり映えの無い雑談ばかりだ。
加えてアラタは放課後には姿を消していた。
大方いつもの件だろう。
「どうしよう。ドレスは着たいし、せっかく着るなら、ねぇ.....」
撮影とは言えど、お互い妙な意識を植え付けてしまうかもしれないから心配だ。
「あら、新垣さんっ.....」
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49: ディジェイヌ
2026-07-05 20:31:56 ZTJhNWFm(50)

「あ.....」「やだ。雨、ね.....」
水滴が頬を掠めたとき、雛菜とるいは空を見上げ、傘を開くと同時にその勢いを増して空模様は明確な雨天へと変わった.....


EP18「揺れる心」


"June-Bride"
6月にとつぐ花嫁は幸福に恵まれる、とは古くから言ったものだ。
そんなまじないにあやかってか、最近では様々な高校で、ウェディングドレスおよびタキシードのモデル撮影が行われている。
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50: ディジェイヌ
2026-07-05 20:32:46 ZTJhNWFm(50)

※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※

喫茶店コスモス。
領也と雛菜が向かい合って座ると、軽くコーヒーを啜りながら領也から口を開く。
「さて、新垣クン。早速だがキミの心情を当てさせてもらおう。」
え?戸惑う雛菜をよそにルーズリーフを取り出すと彼はシャーペンを数行走らせ、彼女に向ける。
内容は大方、雛菜がアラタとウェディング撮影に臨みたいが、超越不審者に対応している彼を思うとそれどころではないと諦めかけている、と言った旨で、思わず絶句してしまう。
「!!な、なんで.....?」
「なんのことはない、しろかからその事で思い詰めてるから頼むと言われてね。」
「しろかちゃん?あのコ.....」
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51: ディジェイヌ
2026-07-05 20:33:09 ZTJhNWFm(50)

朝、雛菜は昨日の複雑な気持ちを抱えたまま登校する。

ふと、いつもよりも何やら騒がしいことに気付き、喧騒の現場へと駆けつけると、そこはよく立ち寄る公園であった.....

「あらたん......!」
「オイオルァ、お前らまぁた悪企みしやがって!」
アラタが啖呵を切った連中、ぞろぞろと三色の影が寄り集まった集団ーー便宜上、読者諸氏には、YAKATAカンパニーの平社員に属する彼らの『ヤカタトルーパー』という呼称を明かしておこうーー
奴らは案の定アラタに邪魔されまいと抵抗の意を示して彼に絡み付いて行った。
オルァ!!が、アラタが勢いよく木刀を振るうと呆気なく吹飛ばされていく。
「数だけ多くたって、鬱陶しいだけやで!!」
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52: ディジェイヌ
2026-07-05 20:33:32 ZTJhNWFm(50)

※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※


憮然と世界樹のふもとを眺める影は視線の先、少年が勢いよく跳ぶ様を逃さず、拳銃を向けた.....

「クルァ、タツミヤ!!なんだってンなことすんだよ!」
「貴方も世界樹のことは知ってるだろう?和泉さん。あと麻酔銃だから安心したまえ。」
長身で浅黒い少女、タツミヤは顔色を変えずにアラタを見据えた。
「願いが叶うってか?それがなんの関係がある?」
「一般人の手前、貴方に深くは言わなかったんだがね、こうなれば仕方ないか。まず『世界樹の下で願いを言うと叶う』は本当だ。」
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53: ディジェイヌ
2026-07-05 20:34:14 ZTJhNWFm(50)

Rrrrrr.....
「Oh,テレフォン?」
YAKATAビルのブリーフィングルーム、Mr.プレジデントは携帯電話を取出し応対に出る。
「ヘロー、モシモシ?オウ、ハニィ!?」
は!?その言葉に、ロウダーとアタッカは唖然とした顔で電話に頭を抱える彼を見つめた。
「リラァックス!ミーはユーの従順なハァズバンドデェス、HAHA.....」
「ウォイ、プレジデントー?」
先程からカケラも想像したことのなかったやり取りをする彼に、思わず通話中に構わずロウダーは声をかけてしまう。
「今すぐニ、ケチャップとサムヴェズィタヴォーを買ってこい!?オォウ、バァット....Noooo!クールダウン、マイハニィ!?ハリーアップでドゥーイングですカラァ~!」
オイ待て!?ロウダーの制止より先に、慌ただしく立ち上がったプレジデントは小走りにルームを出ていってしまった.....
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54: ディジェイヌ
2026-07-05 21:01:35 ZTJhNWFm(50)

「なんーやここ!?」
広がるのはシックな紫色の絨毯に、燭台を模したような電灯、長々と続く廊下とまぁ、さながら洋館のようだ。
「なんやろ、地下に肝試しでもあるんかな。スーパーの一部とは思えへん。」
そう思いながら領也と合流すべく出口を探しているとふと気付く。
「これがホントの『画廊』ってヤツか?でもなんで.....絵がないんやろ.....」
両壁には狭しと額縁が並んでいるのだが、不思議なことに、付いているのは額縁のみで肝心の絵画は無い。
それにしても胸がざわめく。

ーープラネタリウムの次は画廊とは、かえすがえすも訳がわからんなぁ.....
ん......?
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55: ディジェイヌ
2026-07-05 21:02:07 ZTJhNWFm(50)

朝、起きたら顔をあらい、うがいをする。
健康的な生活はここから始まる。
良い天気ね.....目を細める夫人は自宅側の美容室裏口にある郵便受けを開くと、滑り落ちた一枚のチラシに目を向ける.....

--YTK(ユタカ)マート、本日ニューオープン!!ーー

EP21「悪男の舘」

「.........マジか.........マジで......!?」
冷蔵庫の中の虚空を意味もなくまさぐってからアラタは頭を抱えて膝を床に打ち付ける。
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56: ディジェイヌ
2026-07-05 21:02:42 ZTJhNWFm(50)

※ ※ ※

「ま、前田、岩本!?」
颯爽と二人に肩を貸した彩賀と樹にアラタが声を上げる。
「まったく、那須野のGPSがなければ完全に詰んでいたぞ!」
ありがとう、ぼろぼろなまま領也は二人に歩幅を合わせ、途切れ途切れに言う。
「このまま、地下を、目指してくれ!そこに、行けば......!」
「馬鹿を言うな貴様!」
「そうであるぞ、目先に囚われる暇はない!」
「目先も何も!!それさえ成し遂げれば状況は好転するんだぞ!」
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57: ディジェイヌ
2026-07-05 21:03:16 ZTJhNWFm(50)

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「どーうなったかなぁ?」
頬杖を突きながらアタッカはぼーっとテレビに見入る。
「馬鹿野郎が、ジャマモノが失せたうちに仕事しろ。」
へーいへい、渋々リストを取り出し、顧客情報を整理している傍らでワイズはモニターに映る倉庫の箱を数えていた。
「さてさて、彼らはこれからどうなりますやら。喜びの握手か、悲しみの失意か.....」


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58: ディジェイヌ
2026-07-05 21:03:57 ZTJhNWFm(50)

[ようこそ、本日はYAKATAカンパニーにお越し頂き、誠に感謝申し上げます。]

!?不意にひとつの壁に張られるスクリーンに一同が驚きながら振り返ると、ひとつの影が事務デスクのようなものに腰掛け軽く手を振っていた。
影、とは人影ではない、文字通り存在そのものが影で構成されているような.....いうなればアラタが日頃相手にしている、超越不審者の添え物の群と同じ姿ーーしかし決定的な違いが二つあった。
ひとつ、群もといヤカタトルーパーと違い、彼にはこちらから認視できる眼がある。
そのお陰で表情が豊かなようだ。
ふたつ、
[あっ、ご紹介申し遅れました。私、当『YAKATAカンパニー』執行部の『ワイズ』と申します。]
喋った。
トルーパーは言葉も発しないが、コイツはわざとらしく気取った語調を利かせてにっこりと微笑むではないか。
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59: ディジェイヌ
2026-07-05 21:04:23 ZTJhNWFm(50)

いってきまーす.....一人の少年が昇星高校の寮を出た.....と、
「あ、瞬ちゃん!お出掛けですか?」
「あ、おぅ明日香。ちょいと聖櫻の病院にな。」
明日香に声をかけられた少年ーーハンター学科で特晶班の霧島瞬介は軽く手を上げて応じる。
「病院?どうしたの?」
「ああ、ちょっと.....うわっ!?」
「きゃあ!」
瞬間、二人の間を突然の突風が吹き抜け、明日香は慌てて服をおさえながら狼狽える。
「な、なに今の風!?」
「な、なんだぁ.....?まいっか。そうそう。さっきナツから連絡あって、なんでもアラタのヤツがな.....」
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60: ディジェイヌ
2026-07-05 21:04:51 ZTJhNWFm(50)

困ったなぁ...一向に止まない大雨、屋根の下に居ても跳ねる水にシャツの貼り付く不快感....
帰り道の途中で予報もなかった大雨に遭い、当然傘も無く、避難場所すら見当たらない地点での災難に、どうにか見つけた四阿で待つも、雨は嵐へと変わるばかりだ。
「はぁ、どうしよう...髪にも悪いし。」

「雛菜ちゃん!?」
!!聞き慣れた声に目を向ける....
「あらたん!」
何してんねん、そういう彼の姿もずぶ濡れな上に、所々掠り傷のような痕がある。
大方いつものコトだろうか。
「いやぁちょっと...傘も建物もないところで急に降られちゃってね、えへへ....」
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61: ディジェイヌ
2026-07-05 21:05:21 ZTJhNWFm(50)

※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※

大風吹き荒ぶ街中、水溜まりを踏み散らしながら少年は駆ける。
「ったく。なぁんやコレ。裏がありそう言われて色々探してみたけど見えてこんな......!!」
聖櫻だけに余りにも不自然な局所的嵐、恐らく超越不審者の筋だろうか。
しかし雨男や雷男は既に鎮圧しており、そもそも今降り頻る悪天は連中の比ではない勢いだ。
と、なれば.....考えながら走るなか、進むごとに雨の勢いが増していることに気付く。
大本は近いか!?
呼び出したジェットボードに飛び乗り、風に逆らいながら一体を見回すと、やがて、一つの竜巻が柱状に立ち上っている場所を見付ける。
「あれは......!っと、だんだん雷まできよったか!」
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62: ディジェイヌ
2026-07-05 21:05:49 ZTJhNWFm(50)

「アーラター....」
「ナツっミカド...今日はおのおの一人か。」
「どーゆー意味だっ」
「拗ねてるらしいから来たわ。三角トスでもやろうぜ。」
「コノヤロ、ボクが球技苦手なの知ってぇ~」
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「どぉおして貴方達はすぐにそうやってぇ!!」
度々看護士の怒号がロビーに響く日々も終え、"彼"が復学してから数日が経った....

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63: ディジェイヌ
2026-07-06 21:44:37 NDEzMzgz(3)

※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※

「愛はお金じゃ買えないから、考えたんだよ?女の子はサプライズが好きだって、聞いたのに。」
「なんも考えとらんやんけ。」
箱から伸びるリボンを木刀で斬り捨て、アラタはボソリと呆れながら返す。
辺りはヤツが散らかした箱の跡で四角く抉れたり凹んだりと散乱している。
こうしていつまでもだらだらやるわけには行くまい、今日は早期決着の予定だ。
「ラッキーボックスチャーンス!僕はどーこだっ!」
両手を振り翳し辺りに箱を降らせたりアラタを閉じ込めんと発生させていたヤツはやがて自らを箱で覆いつつ辺りにもゴチャゴチャとキューブを落とした。
「チッ、めんどいなコラ。」
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64: ディジェイヌ
2026-07-06 21:45:09 NDEzMzgz(3)

※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※

「わぁ、すごい.....」
鏡を前にして、雛菜は思わず息を呑んだ。
ドレスに合うヘアアレンジを自分でやったとは言え、普段とは大きく印象が異なる姿が鏡面には在った。

「私でも、こんなに変われるんだ.....」
少し、気分の高揚を押さえながらその場で一回りしてみる。
ふわりと翻るドレス、そして周りにも同様の姿でそれぞれに浮き立つ学友達.....

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65: ディジェイヌ
2026-07-06 21:52:41 NDEzMzgz(3)

「んーーー......」

前から気になってたんだけど....雛菜がふと口を開く。
手元にあるのは紐のついた白い円筒缶...所謂自販機サイズの物が数個だ。
「よく外国のドラマとかでも見るよね、車の後ろに付いてる缶。コレどういう意味があるのかなってさ~」
さぁー、対するアラタはあくびをひとつ、
「幸せですアピールやないのぉ?外国人は派手なの好きやし。」
夢がない、頬を膨らませる雛菜に頭を掻く彼は渋々ケータイを取り出す。
「...祝福と魔除けやってさ。」
「へぇ、なるほど~...だから音を鳴らすんだ。でもちょっと騒がしいし、気を遣うよねぇ。目立つし.....」
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