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1: ディジェイヌ
2026-07-16 22:56:21 NmE0YTIy(5)

境界を破り侵食する魔性達。

七匹の魔性を引き連れる少年は騒動に対応すべく、聖櫻学園へとやってきた……

自分の手掛けたマスコット系オリキャラを捜索に使いたいって思いと水木しげる氏リスペクトが悪魔合体して生まれた挙句、
約一年後に設定的にシナジーよさげなアトラスゲーにハマりこんで一層にネタの練度が上がっている趣味強めのシリーズです。

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2: ディジェイヌ
2026-07-16 23:38:21 NmE0YTIy(5)

「『グリモワース・バランギスーー汝、在るべき門扉へと還り給え、"グシオン"』っ!!」

あ゛……?真一の言葉に不思議そうに見返す異形だが、すぐに奴を拘束するかのような光が絡み付いて行く。
「あ゛あ゛っ!?あ゛、あ゛あ゛あ゛ぁ゛……!!!」
もがくも虚しくその身体は地へと沈むかのように埋もれていき、眩い光が晴れると、紋陣と共に異形ーーグシオンは姿を消し去っていた……


・・・ふぅと一息つく真一、周りで歓声を上げる妙な生物達……

「フッハハハ、大義であったぞキサマらァ!!」
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3: ディジェイヌ
2026-07-16 23:38:56 NmE0YTIy(5)

「あそこっ!!」
「・・・"ゴォル"ッ!!!」

意識が落ちる刹那、声が響くと共に優輝を迎えたのは硬い地面でも況してや想像を絶する痛みでも無く、ぼふりと受け止める柔らかなクッションのような感覚だ。

「・・・え?」

予想外の出来事に暫し声が出なかった優輝は喉を絞るように疑問を浮かべる。
何事だと横目に彼女を救った正体を見やると、一面の紫色だ。
…?身を起こし、離れてその全貌を確かめると、更なる驚きに見舞われる。
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4: ディジェイヌ
2026-07-16 23:41:50 NmE0YTIy(5)

※ ※ ※ ※ ※

「それにしても広いな……」
ーー何言ってんだか、麻帆良も大概じゃないの……寧ろ学校らしい施設しかない分親切でしょ。ーー
「まぁそれはそうなんだけどさ〜」
昼休み、暫く世話になる学舎の勝手を知っておこうとあれこれと施設を回りながらボヤく。
ついでに問題の気配も探っておこうと辺りを見回しながら真一は歩を進める。
……特に異常は無し、まぁ当然か。
聞いた話ではあるが…
「何でも聖櫻は猛者の集まりだって聞くからね。」
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5: ディジェイヌ
2026-07-16 23:42:36 NmE0YTIy(5)

「もぅ、なんで…わかってくれないかなぁ……」
いつになく強気というか感情的な言葉が思わず漏れ出てしまうと、驚き交じりに名前を呼ばれた。
ぴょんと一歩踏み出して向き直ると面食らった顔…
でもここまで来たら退けない。
奇跡なんて起こせなくたって良いけど、だけど……
すぐに終わるような青春なんてつらいから、意を決するように一息吸った……

――――――――――
――――――
――
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6: ディジェイヌ
2026-07-17 23:29:08 NTQ0ZWE1(4)

現在、聖櫻学園近辺ではちょっとした事件が起こっていた。
アラタも知っているように、ここ暫く晶魔にもライダー怪人にも該当しないが明らかに人ならざる怪物が無から湧いて出たように現れては街を騒がせているという状況だ。
そして夢の閻魔や聖櫻の理事長から聞かされた話では、麻帆良学園の調査によれば原因はアラタ達の住む世界とは違う世界と呼ぶべき空間とを断絶する境界が緩んではこちらに侵食しているというのが顛末らしい。
そして、その解決にこちらへ送られてきたのがこの7のファミリアを連れた銀弾の射手にして駆け出しサモナー『松の木 真一』ということらしい。
とは言え……
「でもよぉ真一くん、そのバケモン言うたってキミやないと倒せないって感じでもあらへんし、ボクのダチのハンター連中とかもブッ倒せるレベルの奴ばっかやったで。」
そうだろうね、目を細めながら彼は応える。


「確かに、『倒すだけ』なら俺がわざわざ出なくても解決することだと思うよ。ただ、アイツらが異界の魔物なら俺はアフターフォローをしなきゃならなくてね。」
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7: ディジェイヌ
2026-07-17 23:32:14 NTQ0ZWE1(4)

※ ※ ※

「よしよし。皆すくすく育ってますねぇ〜……」
聖櫻学園の裏庭、花壇に水を撒き春瑚は微笑む。
旬の花もチラホラと顔を出しており、一層の秋を感じる風情だ。

「あら……貴女、お花好きなの?」
おやおや?不意に掛けられた声に顔を上げる。
佇んでいるのは、帽子を目深に被ったシックな装いの女性だ。
「はい〜、もうすぐ全部咲いてもっと綺麗になりますよ〜」
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8: ディジェイヌ
2026-07-17 23:33:52 NTQ0ZWE1(4)

※ ※ ※ 

「皆、最近"アレ"の様子はどう?」
学食の一角、新也が不思議そうに問うと、他3人は察したように反応する。
「晶魔ですらねぇおかしな化物共だろ?まぁそんなに手強いって程でもねぇからブッ倒せてるけどよぉ……」 
「全く余計な騒ぎは勘弁してほしいものだな。」
「ミカドとかユウゴもダリぃつってたな〜」
呆れたように言う斗真と理駆に笑いながら夏騎も返す。
そう言えばアラタも恐らくだがそのことで呼ばれたと言ってたっけか……
そんなことを思い返していると不意に切り出したのは理駆だ。
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9: ディジェイヌ
2026-07-17 23:34:56 NTQ0ZWE1(4)

ーー和泉アラタ……和泉アラタよ、聞こえるか……!ーー

んん……目を覚まし上体を起こすと、暫しボーっと景色を眺める。
明らかに自室とは違う物々しい雰囲気の環境。
目が冴えてくると、赤々とした光に照らされる岩肌のような場に自分がいることが解る。

なんやここ?アラタはボーっと周りを眺めていたが、
「ここだ……!」
その声が頭上から響いてくると気付くと顔を上げる。

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10: ディジェイヌ
2026-07-18 00:01:30 NDVkNTY4(6)

「す、すみません。まとめたら重くて……」
「ったくマツノキ テメェこのヤロウほんとふてぶてしくなりやがったなぁ!」
「考えてもみろ、女の子1人でこの量を捌こうなんて酷だ。」
真一と優輝が運び出した古書物の束を脇に抱えつつ両手や角にも提げながらエレベーターを降りるターサに並びながら優輝は頭を下げる。
「でも、マツノキさん。さっきのどうやったんですか?この前はもっと時間が掛かってたような?」
ん?あぁ、恐らくは召喚のことか、笑いながら真一は応える。
「こういう平時にちょーっと呼び出すくらいならすぐできるんだ。まぁ、騒ぎを起こさないためにも術式を用いるまで能力は解放できないけどね。」
ただこの状態でも…言い掛けた口を閉ざす。
そんなこと彼女にはどうでも良かろうし、できれば関わらせないのが術者の義務な筈だ。
「騒ぎをって…、皆さんの見た目では目立ちませんか?」
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11: ディジェイヌ
2026-07-18 00:03:41 NDVkNTY4(6)

ーー魔族『グシオン』の出現から翌朝、真一は何処か重い足取りで教室を目指す。
「(参ったなぁ〜。仕方無いとは言え、これから隣同士で過ごさないといけないわけだし…)」
複雑そうな表情で思い浮かべるのは隣の女子生徒の顔だ。
立場上、感覚が麻痺しがちだが彼女は非力でありながら命を脅かすような化物に出くわしたのだ。
そしてそれを撃退したのが同じような連中を引き連れた隣の転入生…いくら救われたと言えども流石に今後も変わらず関わりたい人間かと考えればまぁ恐らくNOだろう。

なるようにしかならない、か…目を細め、今一度溜息混じりに教室に入ると既に彼女はいた。
何処か上の空のような面持ちの彼女だが、真一がクラスメイト達に挨拶を交わしながら席に着くとハッと我に返り彼に顔を向けた。
「あのっ、おはようございます…!」
「ん!?あ、あ。おはよ……」
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12: ディジェイヌ
2026-07-18 00:06:44 NDVkNTY4(6)



「ホォオオオ!!ひぃらけぇえ!!」

とある山中、一人の人影が搾り出すような声とともに手を高く翳し、力みながら濁ったように黒い気配を漂わせ…
おぉ!?目の前にヒズミが現れ大きな影が身を乗り出してくる……
「こやつならどうじゃね!?」
視線の先、もう一人は腕を組みながらその光景を眺めていた。
はしゃぎ気味に呼び掛ける主が感嘆しながら振り返る。
杖をバタバタと振りながら指し示す先ーーたった今"無"から姿を顕したのはさながら大きく逞しい黒馬…だが、体の各所は鱗が備わっており、どことなく竜というか麒麟のようにも見える、そんな異形の姿だ。
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13: ディジェイヌ
2026-07-18 00:08:54 NDVkNTY4(6)

※ ※ ※

好きにしてくれて構わない、そう促すなり真一は本に目を通し、優輝はそわそわと部屋の内装や本棚を拝見する。
やはり難しそうな洋書がそれなりにある……ともあれお互いどうもぎこち無い空気が漂っていた。
ふと、真一を見れば本の脇にはペンやノートが広がっているではないか。
恐らく彼なりに色々と纏めた内容なのだろう。
やっぱりこの活動が好きなんだな、優輝は一人思う。
言わなきゃ、彼女は胸に手を添える。
しろかに無理を言い、況してや住民である真一に断りも入れず家を訪れるという無礼まで働いたのだ。

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14: ディジェイヌ
2026-07-18 00:13:36 NDVkNTY4(6)

ーー真一がそうであるように、松の木家は魔法使いの家系であり、当然邦夫がその職で名を上げているのも同様の背景があってこそだった。
彼は魔法使いとしての力を用いて当世界も異界も問わず様々な怪魔を調査探求し生態を解き明かし、知識を深め、そして広めていった。
孫の真一は幼少よりそんな彼が見ている世界に同じく魅せられ、魔法関係者としてその功績を活かせるスキルを磨けないかと考える。
そして行き着いたのが人畜を害する異形が姿を顕せば邦夫の記述を元に立ち向かう退魔の道ーーその中で銃を扱う銀弾の射手だったらしい。

「でも、数年前にちょっとした転機が訪れたんだよね。」
真一は紅茶を飲んで一息つく。
松の木邦夫は生涯現役と言わんばかりにピンピンとしていた男だ。
しかし如何に活力に満ちていても老いる時は老いる。
邦夫も今までのように自ら異界等に出向き、異形の者を知ろうという活動には限界を感じており、身を退くことを決意した。
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15: ディジェイヌ
2026-07-18 00:14:35 NDVkNTY4(6)

「いよいよ今日は魔族くんチ行くんやったな。そういや住所見てねぇや。」
学校を終え布団の上で寝そべっていたアラタは、メッセージに送られていた詳細を思い出し開く。
が、すぐに顔を顰めた。
「あっれ?この住所……?」

『Ⅳ・多分、手遅れ』

「ったく、なんやねん。」
アラタは目的地に辿り着くと頭を掻いて吐き捨てる。
そこはよくよく見知った質素なアパートの入浸り先……の、隣の部屋のドアだ。
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