35: ディジェイヌ
2026-07-16 22:46:23 NmE0YTIy(15)
「はぇ~、そんな事があったんだな…」
「すまねぇ!ほんっとに悪かった!!」
「いや、わかってくれたならエエて。土下座とかもせんでもろて。」
どこか驚いたような反応の楓太をヨソに、地に這いつくばるようにして頭を下げる姿を困惑まじりでアラタが制すると男ーー剛太は立ち上がった。
それに、アラタは表情を引き締めると彼に今一度顔を向ける。
「なんとなくわかる。アンタも唆されたクチやろ?なんか覚えてたら教えてくれへん?」
あ、あぁ……剛太は気まずそうに口を開く。
ーーどうも淳や泉と別れた後に、彼は一人の人物から声をかけられたらしい。
「アナータのシゼンをラブするココロ、ベリーグレイトデェスねぃ。」
奇妙な語調で言い寄ってきた人物は初老のアメリカ人らしき男性だ。
...もっと見る「んあ?オッサンどうしたんだその顔!?」
その頬にはガーゼが貼られていた為、思わず聞いたところ、男はさも悲痛に応える。
どうやら彼も自然を愛する者として不法なゴミ捨てを取り締まっていたが、その中で一人の少年にもポイ捨てを注意をしたところ、逆ギレと共に殴られたというではないか。
その言葉を耳にした途端、剛太は湧き上がるような怒りを抱き、男に話を聞くとアラタの名前と顔写真を見せられ、彼が犯人だと吹き込まれた途端、剛太の脳内は事実関係を調べるよりも先にアラタへの怒りで埋め尽くされたと言うのだ。
そして、その後に剛太は件の力を発現させたというのだが…
「確かそん時にオッサンからなんかもらったんだよなぁ…なんだったかな、果物か?わり、よく思い出せねぇ…」
「おぅ、そっか…」
チッ、またか。アラタは苦々しく内心吐き捨てる。
やはり笹露に甘言を垂れ流したという外国人の男ーープレジデントだかと見て間違いないだろう。
何はともあれ剛太との確執も解けた。
「じゃ、色々迷惑かけたけどもう行くな。環境マナー、絶対ェ忘れんじゃねぇぞ!ゴミ拾いしたくなったら環境ボランティア、絶賛募集中だぜぇ!!」
上機嫌に笑いながら立ち去る姿に一同が手を振り見送ると、やがて楓太は言う。
「そーだ、和泉たちもこれからオレらと串間んち行かねぇ?スモアやろうと思ってさ!」
すもあ?その言葉にアラタも隆も瀬莉も首を傾げる。
「マシュマロをビスケットに挟んで焼くの、すっごい美味しいんだよ〜。淳先輩が教えてくれたんだ。」
上機嫌に応えるのは泉だ。
「ほら、あの時アラタ氏はおりませんでしたし。」
「折角だから嶺堂くんと川上さんもどうかな?」
口々に言う大一と介斗。
しかし、隆と瀬莉は残念そうに頭を下げる。
「御免、皆さん!私はこの後稽古がありまして…!」
「私も、父のお客様とのお付き合いがありますので。すみません…」
そっか、残念そうに眉を下げる一同にアラタが加わる。
「雛菜ちゃんは奈央と買い物言うとったな…まぁボクも暇やしなんや今日はクソ某社に顔出して疲れたし、ご一緒させてもらおっかな。」
「ダハハ、やっ↑たぜ」
上機嫌に笑う楓太を筆頭に六人連れ立って歩き出した。
それはそれとして、ふとアラタは先程の淳たちの話を思い起こす。
「山かぁ……おし、アリ、やな。」
「どうしたアラタ?」
「あいや、ちょいとな…」
●『環境暴乱呈阿
〜投棄には鉄拳の清掃を〜』 END
『新着メッセージがあります。』
和泉アラタ『雛菜ちゃ〜ん、今度の土曜、りゅーくんと瀬莉さんと桜岳行かへん?』
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