29: ディジェイヌ
2026-07-12 20:37:42 NWExZjY0(34)
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「くぅ、あの小僧、どこへ行った?」
「くまなく探せ、最悪こんな辺境なら"文字通り"炙り出せるだろ。」
「バカを言うなコリアンド、無駄な騒ぎを起こす気か。」
二人の影が口々に言う。
...もっと見る両者とも夏の真只中にスーツできっちり身を包みターバンを被った中東系の男であり、手には電熱ブレードや護身銃を思わせる火器を握りしめて辺りを窺っている。
そんな折り、片方が何やら違和感に気付く。
「おいクミン、こんなとこに川はあったか?」
クミンと呼ばれた男は呼び掛けるもう一人、コリアンドに返す。
「俺が知るか、ニホンの況してやこんな山奥。アノ変なガキ追って来ただけだろうが。」
そこまで言いながら彼の言葉の真意に気付いたときクミンは驚愕した。
なんだこれ!?そう足元に眼を向けると、ザブザブと溢れ返った水が足に浸かっているではないか。
「うわぁ!濡れて気持ち悪いぞ!」
「言ってる場合か、一体何が、あぁ!?」
二人してその異様に慌てるが次の瞬間、足元が固まった。
凍りつく水面、ふわふわと立ち上る白い冷気....
ーーそこまでだよっーー
!?小高い位置から聞こえる声に二人表情をひきつらせて視線を送る....
両手に青い拳銃を構え、紫のタイツに青い装甲を着けた特撮ヒーロー風な姿、しかし先に計画を阻まれた際とはどこか違う雰囲気で男達は重ねて驚いた。
「諦めて僕の質問聞いてよ。」
「な、何を言うか小僧!」
「私達の邪魔はさせん!」
やれやれ....肩を落として数秒、戦士風の人物を覆うように何かごちゃごちゃと起きた後、その姿は黄色い装甲に橙色のタイツへと変わっていた。
何ぃ!?追い付かぬ思考で焦ると、樹を駆け上がって一気に飛び降りた彼の腕には不釣り合いなサイズの大岩がそのまま纏っているような拳が振り下ろされていた。
「な!?おいちょっ、待て!」
「クェイク・ハンマー!!」
「ガァアッハァッ!!?」
蒼白する様をよそに氷を砕くと同時に衝撃で吹き上げられたクミンとコリアンドが投げ出されて昏倒する。
その様子を見た戦士はやれやれと眼を向けた。
「さて、聞かせてもらうよ。おじさん達、ウチの女子テニス部に声かけてたけど、何してたのさ?」
そう歩み寄るが、
ーーひゅるるー!!ーー
「うわ!?」
つむじ風のようなモノが二人を巻き上げながら吹き去ってしまい、面喰らったうちに姿を消したことに舌打ちをする。
「逃げられたー。」
[ははは、君もだいぶ慣れてきたねぇ。]
おっ、装着を解除した少年に、涼しげな声で連絡が入る。
「そう...なのかな?」
[まぁもう夏休みなんだ、そろそろ会いに行ってみるかい?"連中"の動向もますます波に乗って来そうだしね。]
相手の言葉に待ってましたと言わんばかりに顔を輝かせ、少年は返す。
「うんっ!いよいよかぁ。ふふっ、楽しみだなぁ....」
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