※ ※ ※
「わぁ、綺麗!!」
「ああ、だな。その…ありがとな、アラタ。」
「えーのえーの。ボクとしても中止は困る事情あったし、決めて作ってくれたんはジョーがアレ注文してくれたおかげやで。」
目を輝かせる泉を抱き寄せながら、どこか気まずそうに謝意を述べる淳にあっけらかんと笑いながら彼は応える。
そうか…アラタの言葉にそんなことを思っていると、
「あ、やぁ、串間くんに島田さん、それと和泉くんだっけ…?」
「こんばんは…」
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不意にかけられた声に振り返る。
昼に会ったカップル…在路公人と琴葉葵ではないか。
「葵さん!」
「おっヌシくんやんけうっすおっす。」
「ああ…さっきは、どうも。」
暫し談笑の後、離れてから葵は在路に言う。
「綺麗だね、公人くん。中止にならなくて、良かった…」
葵…その柔らかな笑顔に目を細めながらも、在路はフユキを巡っての騒動を思い返し胸を痛める。
「葵、その…さっきは、ごめん。また格好悪いとこ、見せたよね…」
彼女の目の前で感情的に誰かに殴り掛かる…以前の苦みを思い出す。
自分は未熟なままだと頭を抱える姿に葵は柔らかく笑う。
「ううん。公人くんが怒ったのは、私のためだよね?嬉しかったよ、その…ありがとう…」
そう言いながら、葵はつま先で身を乗り出し、彼の頬に口唇を寄せた。
・・・
瞬間、在路の頬が燃え、目を丸くする。
「あっ、アオイ!?」
「えへへ、貴方がいつもやってることだよ…」
そんな姿に照れくさく顔をそらして笑う葵…
「ああ、あ、あ、葵さん…?き、キキ、きす…!」
「キャーッ、ほらジョー、アンタら負けとるんやないわよ!レッツゴー!!」
その光景に紅潮しながら困惑する泉と、手をばたつかせながら淳を煽るアラタ。
「な!?うるっせ、俺らには俺らのペースがあるっつの…!」
落ち着かない泉の肩に手を添えながら反論する淳は、ふと思い出したように言葉を返す。
「そういやアラタ、新垣は?」
え??アラタはきょとんと首を傾げる。
「雛菜ちゃんは来とらんよ、そもそも別の予定ある言うてたし、ここのことも知らんと思うし。」
え?逆に淳が困惑する。
「お前さっき自分もイルミネーションは中止は困るつってたじゃん。」
あー…目を泳がせながらアラタが笑う。
「それは、まーなぁ…」
要領を得ない姿に一層謎が深まる。
「お、葵達おった~」
「相変わらずあちぃなオイ。」
「まだ邪魔かなぁ」
「仲が良いのは素敵なことね…」
在路達の友人も合流したようだ。
そんなことを考えていると、不意にサイネージが光る。
おっ、アラタが顔を上げる。
なんやぁ?不思議そうに茜が首を傾げ、続くように在路達や淳と泉も不思議がる…
‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐
『本作を連載初期から追っていたというAさんにスペシャルデラックスインタビュー…』
淳「なんだこの頭の悪そうなワード…?」
Q.まず、年齢と一言お願いします。
『じゅ~なな歳、高校生っす。え~、ま、せやなぁ…
シンプルに嬉しいわな、うん。おめでとうございます言うてねぇ…』
茜「えぇ!?和泉クンやんけ!」
淳「え、おいアラタ!?」
Q.この物語に触れたときに思ったことは?
『そう~ですねぇ…ま、はじめは、アレや、よくある日常学園系コメディや思たんやけどね?どこぞのSWHみたいな。
イヤまぁコミカルな部分のが強いと思うで?でも蓋を取って展開追っかけたらもうな、繊細で美しい、なんだかゆったりとした空気、ですかねぇ…
表現がね、ふとした瞬間に抒情的で心が澄むような…そういう綺麗な雰囲気がねぇ、ボク好きなんすよ、ほら、茜色葵色言うたら夕空の色やん?ボクが言いたいのはそう。』
Q.他に魅力を感じたところをお願いします。
『やっっ…ぱ、勿論?登場人物ぅ、ですよね…可愛いですよね、皆。ちょっと愛想悪そうだけど誰よりも周りを気遣う主人公くん。
成績優秀だけど引っ込み思案で自分の気持ちと向き合うことが怖い妹ちゃん、喧しくてちょいとノンデリやけど、二人の関係性と幸せを一番に見守っているお姉ちゃん。
みんな不器用ながらも相手のことをまっすぐに思って…ねぇ。ホンマ、愛おしいんすわ。』
Q.ありがとうございました、最後に一言お願いします。
『あぁ、ハイ。言うてもまあ、たまたまウェブ連載お見掛けして楽しませていただいただけのボクがあれこれ言うんも烏滸がましいんでとりあえず一言。せやな、【隣の君と日を向いて】は、エエぞ。(キリッ)』
‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐
・・・
「…オイ、アラタ…」
「いやー、初期から追っかけてたシリーズの書籍化言うからラブコールした甲斐があったわぁ~」
「じゅ、淳センパイ…?」
ケラケラと万感に浸るアラタをヨソに、どこか雰囲気が変わる淳の声色に泉が引き攣る。
一方ところでと、阿久津は在路の肩に腕を回しながら悪戯っぽく笑う。
「なーなーヌシ、さっき良い感じだったけど、やっぱお前らはこの後ホテル行くの?」
「・・・」
がしっ…次の瞬間、在路は阿久津、淳はアラタの襟元を掴み、
「アクユー、ラインは守れ…?」
「す、すとっぷヌシくん!!オレら友達なんだから、ちゃんと言葉で分かり合えっ、ちょっ!!」
「これ、『 大 魔 界 』じゃなくて!!
『 ダ イ マ 回 』
じゃねえかぁ!!俺らのこと当て馬にしやがって!!!」
「待てジョー!落ち着くんやジョー!!一旦深呼吸でぅわあああああ!?」
二人の少年は極寒の池目掛けて放り込まれ、けたたましい飛沫はそこらのイルミネーションよりも目を引くこととなった…
泉「ちょ、淳センパイ!?」
葵「公人くん落ち着いてぇ…!」
あかり「昼に喧嘩?してた和泉くんをあんなあっさり!?串間くんスゴ!?」
ゆかり「いやぁまぁ、ちょっと暗そうに見えてスパダリな感じとか見てる時も思ってはいたけど…」
茜「はは、せやな。いよいよヌシに似とるとこあるわ、串間クン…」
『漆黒の寒波!ヒーホー大魔界!!』E N D